works_2020_03

尾花家の玄関と廊下

 

来客を想定していない現代の住宅に客間を生み出す家具。

住まい手設計のもと、製作方法のアドバイスと製作のお手伝いをしました。

 

設計:尾花日向我

 

 

 

 

 

以下、住まい手によるテキストです。

 

一般的な建売の一軒家に人を招くための設え。

玄関には既存の床を延長した湾曲した床板、そしてそこに移動式の天板を設えた。

天板を移動させることで、段差によって二分していた玄関の空間に様々な使い方の選択肢を与えた。

廊下の扉では、性格の異なる三つの面によって構成される厚みのある扉を設えた。

扉の中にお客さんが来た時に使うを道具を置いておくこともできる。

扉が旗蝶番によって270度回転することで玄関から廊下につながる領域が変化し、住まい手が自由に生活空間を確保できる。

元来、日本の住宅は人を招くための空間を用意してきたが、現代住宅ではそれがなくなってしまった。

人を招くことを想定していない現代住宅の既存部分を最低限リノベーションすることで、玄関から廊下につながる空間を現代の客間に簡単に切り替える設えを製作した。(尾花日向我)