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レイゲツのオフィス

 

ベンチャー企業のためのオフィスを設計しました。

動きのある家具や一緒に引っ越せる家具を中心としたインテリアです。

 

設計:ゴーストファニチャー

内装施工:ハコリ

家具製作:ハコリ、ゴーストファニチャー

 

 

 

 

 

このプロジェクトは、WEBセミナーの配信などのサービスを展開するベンチャー企業のオフィスの内装計画だ。

クライアントの入居予定のビルは、築50年弱のSRC造のビルの1室で、約50坪と広く、床はタイルカーペット 、壁と天井はボードといった、よくあるオフィスビルの物件だった。

この広さの部屋を全部一から作るのは、ゴミも大量に出るし、作るのにも退去するのにもお金がかかるから、すぐ移転するかもしれないベンチャー企業には合わない。

そこで、クライアントが要望していたスタジオ以外に建物に手をつけず、次の移転先に持っていけるような置き家具をたくさん作ることを提案した。

 

固定席がないオフィスの一番の魅力は、その時の気分で働く場所を選べることだと思う。

ここではスタジオを中央に作って部屋を分割したり、タイルカーペットや天井のボードを一部はがしたり、スタジオの壁の一部を仕上げずに残したり、日の当たり方などに応じて家具の種類、置き方を工夫したり、曲面のカーテンを取り付けたり、いろいろな工夫で完全に仕切ることなく大部屋を分節して、ひとつながりの大部屋の中にいろいろな場所を作り出している。

 

家具は、次の移転先や、その時の働き方に応じて流動的にカスタマイズできることを重視して設計している。

一方で、フレキシブルすぎると、使っている間に家具のレイアウトがぐちゃぐちゃになったり、私物をデスクの上に置いてしまうことで結局席が固定されたりして、使い勝手が悪くなることもある。

だから、家具のレイアウトではなく、物の置き方をフレキシブルにすることにした。

デスクやテーブルの場所は固定し、その周りに、私物や機材を置いておいて働きたい場所に気軽に持ち運べるワゴンを並べた。

このワゴンは業務用コンテナを天板に並べられ、コンテナを動かして、物の置き方を気軽に切り替えられる。

さらに、ワゴンをテーブルやゴミ箱として使えるように、コンテナ用のふたも作った。

ベンチは、天板にコンテナと同じサイズのクッションを並べるくぼみがあって、Torbjørn AfdalのKrobo Benchのように、コンテナとクッションを自由に並べて座面をカスタマイズできる。

また、固定席のデスクや、ワゴン以外の収納は、既製品のスチールラックを改造して作った。

そのままエレベーターに入らない家具は分解して移転先に持っていき、また組み立てることができる。

持ち運びできて、場所が変わってもそのまま使える、カスタマイズ性の高いオフィスを目指した。(内藤)