works_2020_04

大内家の棚

 

賃貸マンションの一室のための棚。

クライアントからは、「室の形に合わせた幅4.5m、奥行き45cm、高さ70cmの細長い棚」「いずれ引越した際、棚の形を新しい室の形にも合わせられる可変的なシステム」の2つを求められた。

そこで、幅90cm、奥行き45cmという運搬が容易なサイズの棚板を紐で結んで固定し、その場所その場所で住まい手の些細な振る舞いを助ける高さ32cmの小物たちで支える構造とした。

この仕組みにより、新しい役割を持った小物を1個単位で追加したり、棚自体を2つに分割してレイアウトしたりといったように、引越しやライフスタイルの変化に合わせて簡単に棚を分解・再構成することができる。

見た目も役割も異なる小物たちは、棚に収められる他の物たちとささやかな関係性を持ちながらその中に溶け込み、生活の中の雑多さを自然に受け入れる。